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食事の作法
さて、戦場ではいつ何が起こるかわからないことから、食事の作法は自由でしたが、平時の食事の中では、やはり色々な作法がありました。
ここでは戦国武将たちに求められた、食事の作法について紹介しましょう。

ご飯の食べ方
ご飯は端から食べるのではなく、中央から食べ始めます。また客人がご飯に汁をかけて食べ始めたときは、もうそれ以上ご飯をすすめてはいけません。

こわ飯(蒸したもち米)の食べ方
こわ飯は直接箸で食べてはいけません。箸で左手の手のひらに移し、それから食べます。

汁物の食べ方
汁物をすする際は、まず一箸二箸具を食べてから、汁をすすります。

かまぼこの食べ方
かまぼこに切れ目があったら箸でとって食べ、切れ目がなかったら手づかみで食べます。

酒の飲み方
それまで肴を食べていて、酒を飲むために箸を置く際は、お盆(折敷と呼ばれていた)に箸を置きます。おわんの上などに置いてはいけません。

他家での食事の作法
友人などの家を訪ねて酒が出てきたら、最低でも一献は飲んで帰らなければいけません。また、酒を二献でやめてはいけません(二献は首実検の際の作法だから)。

主人との食事
席に着く最、膝を上座に少し向け座り、食べるときには膝を戻します。
自分から食べ始めてはダメで、主人が箸を取ったら食べ始めます。また主人が箸を置いたら、自分も食べるのをやめて箸を置かなければなりません。

このように、今よりもよほど礼儀にうるさいことが分かります。
「膝を立てるのはやめなさい!」と言われてカチンと来る(方もいる)現代人、果たしてこの時代の食事に耐えられるのでしょうか?^^; 
参考資料……戦国時代考証総覧(新人物往来社)
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